Die grundlose liebe



 橋の上で千尋に会ったとき、守らねば、と思った。

 大切な人だと、確信した。

 千尋が小さな頃、私の中に落ちたことも、

それどころか自分自身のことさえも忘れていたのに、そう思ったのだ。

 自分でも、不思議だった。

 私が千尋を大切に思うのは。

 千尋が、私の名を、私自身を取り戻してくれたことが理由ではなく。

 他に何か理由があるわけでもない。

 ただ、愛しくて。

 ただ、大切で。

 千尋と共にいたいと思う。

 私と千尋の間にあるすべての違いを。

 目をそらさずにしっかりと見つめて、

それでもなお、共にありたいと思う。

 千尋は人として、私は竜として。

 お互いに、自分自身でありながら。

 違いを認め、その事実と闘いながら、共にありたい。

 理由など要らない。

 千尋は、私の愛する人。




 トンネルの向こうの不思議な町で、ハクは私を助けてくれた。

 釜爺さんを紹介してくれて。

 あの世界で生きるために必要なことを教えてくれた。

 おにぎりを作ってくれた。

 だけど、そういうことじゃなくて。

 自分でも意識しないで口から言葉が飛び出した。

「私の大切な人なの!」

 助けたいと思った。

 ハクのために、できることをしたいと思った。

 こんな気持ちは初めてで。

 だけど、ただハクを助けたかった。

 それだけだった。

 助けてくれたから、とか。

 ハクが格好良いから、とか。

 そんな事は、ちっとも関係ない。

 理由なんか、関係ない。

 そんなもの、何の意味ももたない。

 ハクは私の大切な・・・。

 愛しい白い竜。








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