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碧の約束6 あの時。 手を離したことを。 後悔ばかりしてきたけど。 ハクは? ハクはどう思ってきたのだろう。 同じように、悔やんでくれただろうか? 寂しいと、感じてくれただろうか? 手を離した後。 彼は・・・・・・。 ハクが、見守ってくれていることを期待していた。 もう一度、彼をこの目に焼き付けておきたかった。 4年前はできなかった。 振り向こうとしたけれど、ハクの言葉を思い出して。 今度こそ。 確認したい。 千尋は、深呼吸をして息を整えると、ゆっくり振り返った。 しかし。 ハクの姿はない。 「ハク?」 呼んでみても、返事はない。 「ハクー!!」 何度呼んでも、声を大きくしても、結果は同じだった。 千尋は、焦る気持ちを抑えながら、何度もその場を回って周囲を見る。 が、いるのは、オレンジ色のライフジャケットを着た同級生達だけ。 ハクに会う前と、何も変わらない。 ハクはいない。 その事実は、千尋の心を揺さぶるに十分だった。 取り残されたような、孤独感。 つい、さっきまで手をつないでいた感覚が残っているのに。 ほんの少し、背中を向けていた間に、ハクはいなくなってしまった。 約束・・・したよね?夢じゃないよね? 待っていると、言ったばかりなのに。 もう、こんなに心が弱くなっている。 記憶というものは曖昧だから。 何が現実なのか、解らなくなる。 千尋は不安になって、恐る恐る、視線を下に落とした。 体の半分以上は川の中だ。 ゆらゆら揺れて、よく見えない。 千尋は目を凝らす。 キラリ。 水中で輝くものが ある。 約束の証。 夢じゃなかった。 確かに、ハクはここにいた。 会いたかったと言ってくれた。 千尋と再会を約束した。 千尋の頬を、熱い涙が流れる。 そして、自らにハクを想いつづけることを、もう一度誓う。 二人の約束がある限り。 手を離したことを、もう、後悔はしない。 あとがき 6話UPが遅くなったにもかかわらず、こんなに短くて・・・。 ぷつりと切れたような終わり方。 千尋が家に帰るまで、描いてあったのですが、ここで切った方が、スッキリすると判断しました。 千尋ママをまた書きたいので(笑)その部分も、別の話として書くかもしれません。 一瞬でも良いから、ハクと千尋を会わせてあげたくて(自分が見たかった?)書いた話。 千尋が振り返った時、ハクがいなかったのには、ちゃんと理由があるので、続編で書いていきたいです。 映画を観た時。二人の手が離れた後のハクの手が名残惜しそうで、寂しそうで。とても印象に残っています。 ハクの手は彼の想いを語ってる!と思うのです。 |
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